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精神科医からの手紙・覚え書き [情報]

週刊現代の
「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬」
シリーズが面白くてFBでギャーギャー騒いでたら、
精神科医をしている懐かしい友人が
便りをくれた。

「むっちゃイケてる中年」になっているらしいと風の噂には聞いていたが、
言葉の端々ににじみ出る溢れんばかりの知性、さすが。


医療サイドの現代に対する反論をネットで漁ってみても、

「しょせん素人の戯言、信じるな」

「〇〇(専門用語)と〇〇(専門用語)を併用した場合の影響について
○○○○(カタカナ)の検証が不十分。」

「こんな記事を書いて、信じて薬を止めた人が重大な健康被害を
受けた場合、どう責任を取るんだ」

など、感情的だったり不必要に専門的だったりして、どうも要領を得ない。

そんじゃ聞くが、今現在、薬害は無いのか?
あるなら、誰が責任を取る?

患者が医者を信頼できないとしたら、それは患者だけのせいか?


現代みたいな大衆誌が、ことさら大げさに書きたてるのは当たり前。
読む側だってそれくらい解っとる。

しかしそれを割り引いて考えたとしても、煙の元はじゅうぶんにあるんじゃないのか。


なんていうおいちゃんの疑念を、すべて内包した便りを彼はくれた。

「こんなものにも、あんなものにも薬が効く!」という主張(宣伝)と
「薬は毒で、私もあなたも飲んではいけない!」という主張は、
その薬(治療)に対する不安を煽るという点では同じ穴のムジナという印象を持ちます。

臨床医から診療場面を見てみると
「不要な薬を飲んでいて、状態がこじれている患者さん」もいらっしゃいますし、
「必要な薬を止めてしまって、症状が悪化してしまう患者さん」もいらっしゃいます。

 

さすがである。まったくもって同意見。
人々がみな揃いも揃って同じ方向を向いた時ってのは、
だいたいロクなことにならんのが世の常。

医療側からの彼のような冷静な論を、
ネット上で見つけられなかったのは残念。


それにしても、昔から頭の良い男だったが、見た目もイケてるようになっちゃったのかな…
ヴィジュアルで勝負するおいちゃんとしては少し気になるところ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
加藤くんへ

お久しぶりです。
FBへの投稿、いつも楽しく読ませて貰っています。

さて、週刊現代を始めとする所謂「薬の副作用」問題について、一人のしがない精神科医として何か意見を伝えた方が良いのかな…と思い、自分なりの雑感を記してみました。加藤くんの考えの整理に役立てて貰えたら幸いです。

週刊誌報道の問題点としては

①    副作用を断定的に取り上げ、全ての患者さんに当てはまるような印象を与えるような論調になっていること
(例えば比較的良く生じる副作用と、滅多に起こらない副作用とが同列に書かれている等)

②    具体的なデータに乏しく、個人の体験や意見を元に構成されていること
(例えばエビデンスに乏しい論文、動物実験レベルの論文を恣意的に挙げている等)
以上の2点が挙げられると思います。


こうした論調が出てくる背景として、医療側の問題としては

①    患者さんへの説明不足(十分な説明の上での合意を得ていない)
②    診断確定や作用・副作用を十分に考慮していない処方の増加
があると思います。
(あと良くある誤解として、病院が処方すればするほど儲かるとか、処方を増やさないと利益が出ないと言われますが、そうしたことはありません。)


また裏側の事情として、厚生労働省は財政面における薬剤費の負担を減らしたいので、こうした記事が増えているのはそうした意向が反映されているのかな?と個人的には思います。

基本的にはどんな薬や治療にも効果(利益)と副作用(リスク)があること、どんな人がその薬(治療)を飲んで(受けて)はいけないのか、どんな人がその薬(治療)を飲んだ(受けた)方が良いのかを医療側が提示し、患者さんとの協議上で選択して頂くことが、それぞれの患者さんの健康の為に最も良い方法ではないでしょうか。


個人的には「こんなものにも、あんなものにも薬が効く!」という主張(宣伝)と「薬は毒で、私もあなたも飲んではいけない!」という主張は、その薬(治療)に対する不安を煽るという点では同じ穴のムジナという印象を持ちます。

「薬を飲んではいけない」と断定する医師や栄養士等が、保険適応外の高額な食品やサプリメントを勧めたり、保険適応外で法外とも思える報酬をセカンドオピニオンとして徴収したりすることは珍しくないので、「薬を飲ませるビジネス」が存在すると同時に「薬を飲まさないビジネス」も存在していると思います。

もちろん経済的な規模は異なるのですが、極端な方向に偏ってしまうことは、不安を抱えた患者さんにとって良い方向を見出す手助けになっているとは思えません。


一方で地べたの臨床医から診療場面を見てみると「不要な薬を飲んでいて、状態がこじれている患者さん」もいらっしゃいますし、「必要な薬を止めてしまって、症状が悪化してしまう患者さん」もいらっしゃいます。

これらの患者さんに共通する特徴としては、現在の状態の改善(若しくは悪化)の要因を薬剤のみに求め過ぎてしまうことが挙げられると思います。

実際の治療や援助については他の要素も必要なので、薬のお話しのみならず、心理的な側面や社会的な側面も併せてお話し出来ていける方が、患者さんが少しでも生きやすく出来るお手伝いがしやすいように感じています。


以上、長文になりましたがご容赦下さい。
またいつか会える日があったら良いですね!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

追記
(あと良くある誤解として、病院が処方すればするほど儲かるとか、
処方を増やさないと利益が出ないと言われますが、そうしたことはありません)

については納得いかなかったので、ただいま質問中。
利益を出すことが悪いワケじゃない、むしろ良いことだと思うが、
システム上トラブルが起こり得るのはその辺だとおいちゃんは考えていたので、
もう少し詳しく知りたいところ。




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タグ:週刊現代
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